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骨折を繰り返す方と住宅改修

ケアマネから骨折を繰り返す方の住宅改修の依頼があった。

 

ケアマネから電話で伝えられたのは大腿骨頸部骨折、ひざだった。ほかにあるのだろうか?

 

さっそく、対象者宅を訪問した。新興住宅地、木造2階建て、築25年位、一般住宅。

 

 

 

対象者は右大腿骨頸部骨折、その後、右肩脱臼骨折、その後、右ひざ亀裂骨折。

 

膝が痛いのにもかかわらず、急に正座して転倒したり、不用意に立ち上がろうとして

 

バランスを崩して転倒しているようだ。

 

対象者に、現状のまま出来るだけ動いてもらった。動きはゆっくりで、特徴的な動作はない。

 

 

 

そこで動いた後、出来ること出来ないことを再確認し、要望を聞いた。

 

浴室内、便所、玄関、門扉周辺に手すりが必要なことが分かった。

 

股関節を曲げる角度とか病院では聞いているらしいが、どうしていいかわからない状態。

 

特に入浴の動作は足を曲げることが多いことを説明した。そこで退院時の注意事項を

 

細かく聞き出した。バスボードを使用することを提案し、ゆっくり動くこと促した。

 

この対象者の家族は協力的なので、問題なく実施できるとのこと。

 

 

 

トイレも問題だった。トイレの扉がトイレ内に引く内開き戸。

 

カーテンにすることを提案したが、来客の時に困るとのことで却下。

 

なるべく手が届くぎりぎりのところに手すりを着け、扉が手すりに接するかどうか

 

というくらいの位置まで手すりを設置した。トイレ内での回転、しゃがんだり、

 

立ち上がりの時に転倒しないような位置に手すりを設けた。

 

この計画で、見積を提出し、施工した。

 

 

 

この数年後、対象者は足腰が弱り、部分的に車いすが必要になった。

 

室内は手すりにつかまったり、手引きで歩いているようだった。

 

今回は玄関先から門扉までの通路の整備が問題になった。普通に整備するか

 

それとも簡易的に整備するかで、使い勝手も違うし、金額も違う。

 

図面と見積を提出して、家族に検討してもらった。結果、簡易的に整備することになった。

 

簡易的に整備することは選択肢として提案する必要性を感じた。

 

 

 

その後、建物全体の普通のリフォームも行うことになった。

 

耐震工事、防犯工事、家族の将来を見据えた改修を行った。

 

 

 

玄関先から門扉までを簡易的に整備

(写真は工事中)

 

現状の敷石の脇に側溝のふたを敷いた。

 

手前の板は段差を解消するための

スロープを設置した。

 

ゆっくり車いすを押すには問題なかった。