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腰椎すべり症と脳梗塞と住宅改修

ケアマネから腰椎すべり症と脳梗塞の方の住宅改修の依頼があった。

 

これはどう言うことなのだろうか?と電話先で話を聞いた。

 

家族でいっぽうは腰椎すべり症を患い、もう片方は脳梗塞になったとのこと。

 

さっそく、対象者宅を訪問した。敷地周辺は緩やかな坂がある。

 

新興住宅地、鉄筋コンクリート造2階建て、築24年。

 

 

 

対象者は十年前から腰椎すべり症があり、二本の杖を使い室内を動いていた。

 

最近、右大腿骨頸部骨折で退院したばかり、入浴などは見守りが必要な状態。

 

床面に座ってしまうと立ち上がるのが出来ない。

 

ここの家族には他に脳梗塞を患った人が二人いた。二人とも左マヒがあった。

 

四人家族で、もう一人は鬱で精神障害があり、家族全体の介護は他者の支援が必要な状態。

 

この環境で、どれを優先して、どのように住環境整備を進めていくかは多少難しかった。

 

 

 

まずは、腰椎すべり症の方に焦点をあてることにした。

 

室内の移動は浴室、トイレ、廊下、食堂、それと玄関から門扉までの間の移動が必要だった。

 

大きな段差がないため、手すりだけで何とかなりそうだった。それと脳梗塞の方も使える

 

手すりにすることが解決策になりそうだった。

 

腰椎すべり症の対象者に出来ること出来ないことを確認し、要望を聞いた。

 

足を曲げることの制限があった。入浴は足を曲げないような方法で動けるように手すりの

 

位置を決めていった。問題になったのがトイレだった。中途半端に広かった。

 

便器にセットする手すりも検討したが、動きがとりにくく固定した手すりとした。

 

それと家族内で身長差があり最大35cmの差で、どこに合わせるかになった。

 

ふらつきや次の動作の手の移動等を考えて一番背の高い人に合わせる位の高さにした。

 

 

 

この計画で見積を提出し、施工することになった。

 

 

 

手すり設置後、何度か訪問することがあり、状況はその都度、確認していた。

 

家族環境が大変な中、何とか動いていて、手すりなどの使い勝手は問題なかった。

 

 

 

 

壁から便器中心までの距離が60cmあった。

 

普通の壁付けでは手すりの位置が遠い。

 

手すりをふかすことになった。