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パーキンソン病と住宅改修(3)

ケアマネからパーキンソン病の方の住宅改修をすることになった。

 

一般的な症状を予想するだけで個人差はわからないため、対象者の家を訪問した。

 

既存住宅地に木造二階建て、築15年位の住宅、家周辺には段差がいっぱいある。

 

 

 

対象者の動きを確認するため、出来ること出来ないことを確認して、要望を聞いた。

 

対象者はパーキンソン病とは言うものの、つたい歩きでゆっくり歩いている、

 

ふるえは少ない、初動が遅いなどがない。トイレでの転倒は何度かあったようだ。

 

そのほか、円背や腰痛があるとのこと。人によって差があるのを実感した。

 

ただし、投薬との相性がよいらしく、よく効いていて安定しているとのこと。

 

対象者の家族は障害があり介護はできない状態。

 

 

 

つたい歩きなので転倒予防のために各所に手すりを付けることになった。

 

玄関周辺、玄関から門扉へ15段の階段、玄関ホール、トイレでは転倒を防ぐため

 

壁の両側に手すりを設けた。浴室は一般的な位置に3本の手すりを設置、

 

対象者は2階に寝室があり、上ることを希望したため階段にも手すりを設置。

 

それと、外出も多くあり、要所に手すりを設置することになった。

 

これらを計画して、見積を提出して、施工することになった。

 

 

 

それからしばらくして、対象者の家族から連絡があった。

 

認知症も少しでて、病状が少々進行して、寝室を2階から1階にすることになったとのこと。

 

さっそく、再訪問した。ふるえこそ同じ状態、動きが遅くなったり、転倒も多くなった。

 

特に、薬が効いている時とそうでない時の差が歴然としてきた。

 

今回は、1階で生活する部分をもう一度見直した。現状の部屋の出入口の扉を片開き。

 

それは動きが悪くなったことで片開き戸の面倒な動きに合わせることが出来なくなった。

 

それでも外出は可能らしく、外回りの通路の整備もすることになった。

 

計画図を作成し、見積を出して、施工することになった。

 

 

 

扉の変更は寝室、居間、トイレであった。 トイレは対象者自身しか使用しないので

 

カーテンも提案したが、扉がいいとのことで引戸に変更することになった。

 

外回り通路の外構は幅を1m、長さ約25mの小道を庭に作った。

 

床面は通常モルタル刷毛引き仕様が多いのだが、今回は石灰岩系のジェラストーンを

 

張ることになった。庭のアクセントが全然違ってくる。この石は土間やテラスに

 

張ると明るい感じが出る。ただし苔の生える地域ではやめた方がいい。

 

これ以降、訪問することはなくなった。

 

 

 

ジェラストーンを張った通路

 

目地で段差が出ないようにした。