一般の方つまり健常者の方から住宅改修の依頼があった。
浴室便所洗面所の改修の依頼で、現状の状態を何とかしていただきたい。
浴室は2畳ほどのタイルが貼ってある一般的なもの、便所は1畳ほどの一般的なもの。
洗面所も従来の洗面台を置いて、その脇に洗濯機を置いたよくあるスタイル。
提案はこちらに任されて、数日後、提案することになった。
既存の住宅は昭和の終わり位に建てられた木造二階建ての一般的住宅。
南には海岸がある場所。建物をよく見ていくと大工の意図する部分が多く、面白い。
南側の縁側は広めにとってあり、和室との雪見障子、欄間は松林を渡る人々の風景、
和室と廊下の天井は砂刷り天井(波もが光る状態を表している)などストーリーがある。
海の波の光が縁側を通して、床の間の和室まで表現しようとした。これを分かって
材料を選定している大工だとしたら、大した表現力である。びっくりする。
単なるこちらの受け取り方の思い込みだとしたら、まことに残念なことだ。
この住宅を改修することになった。外観はどこから見ても普通の住宅。
浴室回りの改修の提案は浴室があったところに便所、便所のところに浴室を設けた。
将来的な動線の確認を念入りに行った。
このガラス張りのスタイルは高齢者には受け入れられないが、今はよくあることである。