ケアマネから前頭側頭葉変性症の方の住宅改修を依頼された。
さっそく医療関係者に話を聞き、ネットでどのような症状か検索した。
これだけでは全く分からないので、さっそく対象者宅に訪問した。
対象者は前頭側頭葉変性症を患い、転倒が多く、記憶力低下も見られるとのこと。
対象者の住宅は既存住宅地の木造二階建てで、2階部分に寝室がある。
実際に動いてもらい、手すりの必要な個所を確認していった。
そこで対象者に出来ること出来ないこと、要望は何かを聞いた。
今の段階では廊下に手すり、階段には両側に手すりがあると動けるとのこと。
トイレも座ったり立ち上がったりの要所に手すりがあれば室内を動くことはできる。
動作を確認し、必要な場所を確認して何となく要望に応える計画はできた。
しかし、前頭側頭葉?で、この一連の動いてもらったことで何か補足するものは?
そのほかに、進行性核上性まひに似た動きがあると記述もあった。
これって確か、パーキンソン病のような動き、確かに廊下を歩くときの初動がそうだった。
こうなると何が何だか全く分からない。どこに何の注意点があるのか?
対象者にリハビリを受けているかどうか聞いた。定期的にPTがかかわっているとのこと。
そこで対象者の住宅平面図に手すりの位置、高さ等を描き込んで見てもらって確認した。
介護保険の承諾書が届くとすぐに、手すり設置工事へ取り掛かった。
設置後すぐに対象者に動いていただいた。問題なく動けることを確認した。
それからしばらくして、対象者の動きに変化があったと、ケアマネから連絡があった。
歩く速度もより遅くなり、足もすり足状態で動いていた。
そこで対象者に動いてもらおうとしたが、その日は動けるような状態ではない。
この場合、対象者の家族に動き、習慣等を事細かく話を聞くことにした。
要望は廊下に両側手すりが必要、トイレの手すりを使えるように工夫してほしい。
すり足状態で以前より足が上がらなくなってきたので5cmの敷居撤去も必要。
これで、対象者はある程度は自分で動けるようになった。
住宅改修することに対して、出来ないことはほとんどないし、ほとんど問題はない。
それが正しい方向性かどうかはいつも疑問が残ることもある。
トイレと廊下の敷居
5cmの段差だ。
かつてはトイレのゴミが外へ出ないようにと
トイレのスリッパが扉で動くことがないように
との思いでこのような高い敷居があった。
室内でスリッパンを履かない時代は・・・・