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パーキンソンと住宅改修(2)

医療関係者からパーキンソン症候群の方の住宅改修の依頼があった。

 

パーキンソンと言うことで、何となく同じような動きの方なのか、さっそく訪問した。

 

対象者は10年前に発症、大腿骨頸部内側骨折(装具利用)、白内障などもあった。

 

ここの場合、老健から退所前訪問をPTが事細かく調査していた。

 

どこにどのような段差がある、対象者の基本動作、ADLの評価記録があった。

 

 

 

この評価があると、役に立つ。しかし、対象者には実際に動いていただいた。

 

出来ること出来ないことを聞き取り、要望を聞いた。これがびっくりする。

 

PTは室内の段差は懸念するが、住宅改修の必要性はないと記録していた。

 

しかし、本人は各所に手すりが必要であることを訴えてきた。

 

門扉、玄関、廊下、階段、便所、浴室、台所など各所に手すりを設置した。

 

PTが懸念していたほとんどの段差周辺に手すりを設置することになった。

 

この対象者だけではないが、動きを見て、明らかに手すりが必要と思うことがある。

 

しかし、PT OTは手すりの必要性はないということが多い。懸念は必要なのだろう!

 

 

 

この他、トイレと寝室を改修することになった。

 

都合よく、和室の押入れを隔ててトイレがあった。それを一連の部屋にした。

 

一畳位のトイレと押入を連結することで二畳位になり、和室から直接トイレに入れる。

 

新規トイレは、介助しやすい広い空間になり、小さい洗面台も置いた。

 

寝室とトイレが近いのは対象者には喜ばれることが多い。

 

年齢や疾患によりトイレの時間間隔が近くなると必要な連続空間となる。

 

 

 

このほかに、ここの住宅では廊下の幅(1.7m位)の広い箇所があった。

 

この広いところに手すりを付けることはできるが、脱着式もしくは置き式となる。

 

脱着式は、はめたり外したり、よく通る廊下には面倒なものだ。

 

最近よくある置き式の手すりは廊下にあると意外と邪魔になる。

 

これでは使い勝手がよくない。そこで、提案したのが、トイレの跳ね上げ手すり。

 

必要な時だけ下ろして使う。しまうのも持ち上げるだけ。使い勝手がいい。

 

用途として、メーカーはトイレ用で開発した。

 

しかし廊下の壁にこの手すりがあっても特に違和感はない。

 

手すりの先端で下方向に力を加えるような使い方はしない、など事細かく説明した。

 

その上で、対象者には了解、同意のもと設置することになった。

 

跳ね上げ式手すり

 

今のところ、長さ75cmが最長。

柱に付けるには問題ない。