ケアマネから高次脳機能障害で姿勢の安定しない方の住宅改修の依頼があった。
医療関係者に分かる範囲で聞いても、障害は個々の差があるため分からないとのこと。
さっそく、対象者宅を訪問した。周辺環境を見ながら住宅に入って行った。
事故で、高次脳機能障害で失語症のため、家族を交えた会話、姿勢が保てない、
手のしびれがある、場合によっては車いす移動が必要な時もあるとのこと。
この状態で出来ること出来ないことを対象者に聞き、家族に解釈してもらった。
対象者は自分でできることなら、自分でしたいとのこと。
希望は、玄関から公道に出るまでの約1.5mの高さの階段に手すりの設置。
あと、浴室内に手すりがあると、ある程度の生活は自分でできるとのこと。
この住宅は、建築設計事務所の建築士が設計したので、段差が小さく設定してある。
地元の工務店や住宅メーカーが建てた家は、段差が法律のぎりぎりの線で出来ている。
障害者や介護を必要とした場合、この段差が小さいのは対象者には助かり、問題が少ない。
現状を調査し、見積を提出し、工事することになった。
工事も問題なく終えて、手すりを使って出入りをすることになり、何ら問題なく出来た。
浴室も入浴ができるようになった。ここまでは、何ら問題なく普通の住宅改修で終わった。
数か月して、対象者が自転車に乗っているのを見たときにびっくりした。
機能が多少回復したから自転車に乗れるのだろうか? 高次脳機能障害ってなに?
手のしびれ、姿勢保持ができない、車いすも必要かも・・・・
そのような方が自転車に乗っている?! どうゆうことなのだろうか?
これは個人差があるために自転車に乗れる、乗れないがあるのだろうか?
あの住宅改修は何だったのだろうとか、いろいろと考えてしまう。
ネットで検索すると、自動車の運転、自転車の運転等は、医者に止められない限り
問題なくできる行為のようである。長期記憶障害は帰れなくなることもあるようだ。
数か月して、対象者の家族からまた、改修の依頼があった。
敷地前の公道が砂利道で、車いすで移動するのが困難になるから何とかしたとのこと。
公道と言っても、道幅3m未満の持ち分の分かれている私道。ここを何とかしたい。
この道路に面している周辺の方の了解のもと、対象者の自費で作ることになった。
幅90cmのコンクリート製の通路、約20m。いつでも撤去が可能な状態にした。
砂利道の場合、雨の日は大変になる、何かの災害の時も車いすでは避難し難い。
みんなが使う道路、砂利道で何とかしたい。 何かの時に撤去ができることを条件に
最低限、安全に通行できる通路があるといいものだと思った。
敷地外通路
仕上げはモルタル刷毛引き
厚みは10cm
近くの舗装道路まである