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右半側空間無視と住宅改修

ケアマネから目の障害のある方の住環境整備をしたいとのことで依頼があった。

 

「右半側空間無視」と最初に聞いたとき、文字にするとなんとなくわかるが、

 

これがどのような状態かは本人に会うまでは全く理解できなかった。

 

訪問する前に医療関係者に症状の内容を聞き、ネットでも検索した。

 

当然これは、右側もあるし左側もあるらしい。

 

 

 

さっそく、対象者の家に訪問した。住宅団地で木造2階建て、築十数年。

 

出来ること出来ないこと、要望等を確認した。

 

高齢者で筋力低下があり、手すりと段差解消が必要とのこと。確認に時間がかかった。

 

時間がかかった理由は、大きな家で廊下の角を曲がることが多く、部屋も多くある。

 

視野が半分のため、片側に設置した手すりが見えているかどうかを確認した。

 

その時、床に段差があったりするとその障害に気付いているかどうかも確認した。

 

例えばトイレに行って帰って来る時に、手すりを付けて、行きは見えていた手すりでも、

 

帰りはその手すりが視野に入っていない場所もあった。廊下を直角に曲がる時など。

 

この現象が多い。廊下の手すりが両側になるところもあるため、各所で確認が必要となった。

 

長年暮らしている自分の家であるから、まだスムーズに動けるようだ。歩いている時に、右側の床に障害物があったりしたら、それにつまずくことがある。見えているようで見えていない、分かっているようで分かっていない。不思議な感じがしました。

 

それと、確認している時に対象者の右側に立ったり、左側に立ったりして目の動きも確認した。手すりなどを認識している眼つきかどうかは確実な現象はなかった。

 

 

 

この家は、普通の高齢者の家より、多少多めの手すりの設置となった。