ケアマネからトイレ周辺の環境整備をしたいとのことで依頼があった。
対象者は指や足は典型的な慢性リュウマチ、なんとか歩いて居室から便所へ移動、
便座へのすわり、立ち上がりをもう少し楽にしたいこと。
実際に、どのように使っているか動いていただいた。
現状のトイレは便器の前淵下で3cmの段差を床で作りつけてあった。
リュウマチ患者の家の便所によくある便座補高を考えた便器の設置である。
この対象者がリュウマチであるため、大工にお願いして3cm上げてもらったようだ。
しかし動きを見る限り、この補高だけでは無理がある動き方である。
そのため、段差をなくして、便座リフトを提案した。
しかし、家族に理解が得られないらしい。
そこで、手すりでできるだけのことを提案して、施工して終わった。
数か月して、対象者からもう一度依頼があった。
もう少し便器周りに手すりの追加と外出用の手すりの設置を希望。
少しずつ、様子を見ながら進めるのがいいのではないかと思い、そのことも提案した。
しかし、この対象者は家族の理解がなく、
家族からこれ以上手すりはいらないとか、なんで一回で工事が終わらないのかとか、
20年以上患ってきたのに理解してもらっていないのだろうか、
このような内容でケアマネからの連絡があった。
これ以後の連絡は途切れてしまった。難病など、家族の理解や協力は大きいと思った。
便座リフト(リュウマチ患者には勧めることが多い)
国内にすぐに供給できる便座リフトは2種類ある。
機械式に便座を上げるのと、空気圧でゴムマットをふくらますものがある。
2種類とも設置したことがある。設置後、何度も足を運んだのは後者である。
ゴムマットをふくらます方式のリフトはそれ以後使っていない。
機械式に上がる方式は垂直にも斜めにも上がるため、リュウマチの方に限らす、
症状にもよるが、便座にゆっくり座ることが難しい人にも利用できる。
便器そのものが高めにできているものより、リフトを設置する方が使い勝手がいい。
まだ出会ってませんが、マットをふくらますのが合っている人もいるとは思います。
左が INAX製
便座の後ろにマット状のものが膨らみ上下する
右が TOTO製
機械式に便座を上げ下げする