たまにある話ですが、手すりがついているけど動けない。
「トイレに手すりがついているのに立ち上がれない」
「浴室に手すりがあったけど出てこれない」
トイレの手すりの設置位置が適切でない為、座ってから立ち上がりができません。
人の動きとしては一般的に浴槽に入るのは必死になって入ります、便所もそうです。
しかし、動作の機能が落ちると人はそれから先の立ち上がりや出る行動が出来ません。
便所でどう立ち上がるか、浴槽からどうして出るかです。できなくなります。
浴槽脇の手すりが必要なのに他の壁にいっぱいついている。
大工さんや職人さんは手すりをそこに付けるのはプロ中のプロです。
しかし、この対象者にはこの手すりの位置はここが適切だと言えないことが多い。
建築が分かると手すりは簡単に付けられるだけに、変なところに付いていることがよくある。
お客さんに言われて現場監督が設置した手すりなどはこれが多い。
日本の建築教育でパブリックのバリアフリーに関する分野はかなり研究されている。
しかし、プライベートと言うか個別のバリアフリーはなかなか難しい分野です。
個別の分野で研究や実績を上げている大学の先生等はほんの少数で、
現場の建築にその内容が届くまではまだまだほど遠いものがある。
誰もが知っている大手の住宅メーカーが設置した手すりでもおかしいと思うこともある。
人が障害を負ったとき、手すり一本がその人の動きとか気持ちを
いかに動かすかは大きいものがある。手すりはその人の助けになる補助道具である。
福祉住環境コーディネーター1級はあるものの、一団体の資格だけになっている
国家資格の1級・2級建築士は百万人以上いる。しかし、この分野の専門家は少ない。
個別のバリアフリーは実にマイナーな分野であり、注目されない仕事でもある。
かなり専門性を問われるような建築の分野で、テレビのリフォーム番組のような華やかさはないです。
むかし、「便所をまともに設計できないものは建物そのものもまともに設計できない」
そんな言葉を聞いたことがある。たかが手すり、されど手すりと同じかも?!
かばさんは手すり設置するだけの会社ではありません。
障害者や高齢者の身体的機能が低下した場合、人が自力で動きたいという気持ちを
少しでも手助けするための道具として最終的に手すりなどが存在します。
その為の道具をどう設置するかを考えたがゆえにこうなっています。