介護保険制度が始まった頃、建築学会やその他の団体で「20万円は安すぎる」。
このことがものすごい議論になったことを思い出します。
この仕事にしばらくかかわってきて、人が生活することで
介護保険の住宅改修の利用上限額20万円は妥当な額かなと思う。
手すりやちょっとした改修をするには事が足りることが多い。
それ以上の改修が必要な人は、それなりの身体的特徴があり、
他の制度を利用する改修方法がある。
ある日、家族から直接、住宅改修の依頼がありました。
対象者は60代、脳梗塞で片マヒの方の住宅改修。築25年、階段や段差の多い家。
家族が最初に改修を依頼した会社は改修費用が300万円かかると言われたそうです。
それはちょっとと思い、次の会社に依頼したら500万円。
家族はこれで対象者が動けるの? これが正しいのとの思いでした。
この内容がどのような改修かこちらでは確認しておりません。
この二社は「バリアフリーなどの改修もします」とうたって広告もしているような会社。
そこで、三社目としてかばさんに依頼が来ました。
訪問し、対象者の動作を確認しながら、動いてもらいました。
対象者の動きを見る限り、手すりとスロープで何とか生活ができる方でした。
玄関前の外階段、玄関ホール周辺、便所、浴室、階段などに手すりを設置。
実際、手すりを設置して、1~2か月たち、追加が必要か確認しました。
2本くらいの追加でほとんど問題なく生活ができていました。
この費用、追加を入れて40万円超えませんでした。
この住宅でこの対象者はたまたまこの金額でできたのかもしれません。
お金をかけてもっと快適な空間を提供できたかもしれません。
この段階では、数百万円の改修はこの対象者には必要なかったみたいでした。
改めで、介護保険の利用上限額20万円は妥当な額のような気がします。
しかし、20年近くなり、物価の上昇分を考えると外手すりや外の整備に
関しては金額の変更の時期に来ているような気がします。